海晴

『あなたがいるから』
にこにこ
にっこり
朝からにぎやかな声が聞こえて
家中が大騒ぎで
ひとときも収まらない
クリスマスの一日。
楽しくて
つられて笑ってしまうみたいで
こんなにうれしいのは
どうしてなのかしら──
一生懸命みんなに見てもらう出し物の手品を
練習してきたから?
おいしいお料理がつぎからつぎへ
テーブルにどんどん運ばれてくるのが
いいのかな?
子供たちに誘われて歌う
クリスマスの歌がとっても陽気だからかも。
誰かがはじめる
ゆかいな踊りを一緒にする行事だったなんて
知らなかった気がするし
サンタさんのプレゼントを
手元に置いて離さない子が
何度も見せてくれるから──
これだって理由の一つなのかもね。
きっとうるさいのは
きょうだいが多いからだけど。
手品がうまくいくか
喜んでもらえるかどきどきした気持ち、
お料理がおいしいって言ってもらえるか
何が気に入ってもらえるかついつい
手を出しすぎてしまう気持ち。
理由もなく踊りだしたいのもみんな
私たちには今ここに
大好きな人がいるから。
私の家族がいる、
理由はたった一つそれだけだと
うれしいクリスマスを
毎年いつも不思議に思い
同じ答えを出すことを繰り返す──
そしていつの頃からか
どうかまだ小さな家族たちが
同じように不思議な気持ちになって
別々の答えでもいいから
それぞれがこの場所で
私と一緒にいた
こんなに楽しかった時間で
考えたことが何かあればいいなと願う日になりつつあります。
これからまた年を重ねたら
私は何を思うんだろう、
それをみんなと確かめたい気持ちがあふれてくる。
でも今の私ができることは
クリスマス会の出し物をがんばったみんなや
準備を手伝ってくれたみんなにお礼を言ったり
お台所担当のえらい子たちへおいしかったと
教えて上げに行かなくちゃ。
みんな、今日は楽しかった。
どうもありがとう──
いつも私といてくれてありがとう。
私のそばで飛びはねてくれて──
たくさんのことを教えてもらうきっかけをくれて
ときどき一緒に笑ってくれて
本当にありがとう。
今日はそんな気持ちを素直に伝えられる日だと
私が今の気分で勝手に決めました。
どうかこれからもよろしくお願いします。
明日のメニューはたぶん
むかし4コマまんがで見たみたいに
にんじんを星にしてくりぬいた外側を使ったお料理だと思う!
長く生きているとわかっちゃう。
今日が楽しすぎたせいで
もりもり残さず食べるに決まっているから
どうかおいしく作ってください。
おうちでただ一人の男の子も
誰よりたくさんのお料理をおいしそうに食べてくれて
おどろくほどで
見ているだけでも楽しいの!
おせちの準備も加わって
明日も大変だろうけどがんばってね。
みんなのことを見ているのが好きなことだけは
誰にも負けない自信があるお姉さんの
海晴がいつでもどんなことがあっても
あなたにずっと協力をすると誓います。
そう、今日は気持ちを素直に話せる日──
どうかこれからも忘れずに
いつもいつもそばにいて
私をびっくりさせてねと
お願いできる日なの。
約束だよ。