観月

『おたのしみ』
おとなもこどもも
おのこもめのこも
生まれたばかりの赤ん坊でさえ
なんだかわくわくして
ときめいている。
寒い日が多くなると
自然とおうちの中で遊ぶことが多くなる。
そんなときにはこれじゃ!
パズルじゃ。
数字パズルに絵合わせ、
なぞなぞや知恵の輪──
この世は新しく生まれる謎に満ち溢れ、
解いても解いても終わらない。
あんなにうなって
頭を悩ませていたはずが、
ついに閃いて謎が解けた時の喜びに
もう一度、あともう一度と
きりがない。
こんなに人を
夢中にさせるのだから──
マリー姉じゃが考えたように
知恵のある悪魔が作ったに違いないと言われても
不思議ではないというもの。
人を誘惑するために──
我々を夢中にさせるために。
だが、何も怖がることはない。
世の中、悪魔と言われる相手だって
話してみれば気のいいやつだったりもするし
もしも意地悪だったら
その時のために、わらわが修行しているのじゃ。
吹雪姉じゃは悪魔などいないという──
みんなが、確かにそうだという。
きっとそうなのだろう。
わらわがおうちにいて
いつでもみなを守っているのだから
他の誰にとっても──悪いものなど、いないのと同じことじゃ!
何も気にせず
魅惑の遊戯に耽溺するとよい。
でも兄じゃは──
わらわがこうしてついうっかり話してしまったことだし
苦労をねぎらって甘いおやつでも
たくさん持ってきてもよいぞ。
ああ──謎をたくさん解いてちょうどおなかがすいたところじゃ。
よし!
みんなを惑わすこのパズルは
他の何も手につかなくなるくらいで
それ以外に悪いことはそんなにない様子だと
わらわが修行で鍛えた目が見抜いたから──
兄じゃも一緒に遊ぶのじゃ!
これから寒い季節は長く──楽しみは多く訪れるであろうな。