観月

『つなわたり』
いそがしい、いそがしい。
今日も暑かったの。
のんびり休憩も取りながら
お外で遊べるのが一番なのだが、
何しろ夏は
あっというまに過ぎて行ってしまう。
もうできない遊びも
だんだん増えていくだろうし、
子供たちが捕まえられない
来年まで出会えない虫もこれからはあらわれる。
鳥が夕暮れを帰っていくように
どこか知らない隠れ家へ消えていく、
あの子たちの中には
きっと、みんながまだ叶えられない
特別な願いを知る鍵になるものも
まったくないとは言い切れないし──
夏が終わる前に会いに行ったり
あそんでおきたかったり
あれもこれもで
なかなか腰を落ち着けている暇もないな!
ふうふう。
おうちのみんなも、同じことを考えたのか
なんとなく感じているのだろうか──
遊びに飛び出して
お手伝いの約束をした子が
時間になっても出てこなかったり。
そうなると、手が必要な時に
姉じゃたちに見つかったそのあたりの子は
みんなまとめて抱っこやおんぶで連れていかれて
緊急のお手伝いとなったりもする。
これも、夏の終わり──
季節の変わり目に
まだやっておくことがあるときにはよく起こるものじゃ。
後悔がないように日々を送りたいが、
そんなうまくいくことばかりで
日々はできていないからな。
いっしょうけんめいにできることをするしかない。
今日は──
やりたいことは、だいたいできたであろうか?
いつもみんなが遊んでほしい兄じゃがいて
わらわが手を引っ張ったり
抱っこやおんぶで連れて来たりできたら
そんないい日はなかなかないのだが
まあ、できることは
順番にやっていくのだ。
わらわが聞いた話では明日はまだ十五夜のお月見の見頃は来ないらしい──
それでも、明日にやりたい、あれやこれ次第では
まだその先のことはわからぬぞ!