小雨

『小雨の多忙』
たいへん!
いそがしい、いそがしい。
といっても
小雨に何かの用事が
あつまっているというわけではなく、
みんながバレンタインの試作品に
いっぱいお菓子を作ってみたい、
バレンタインが近い今、できることをしたい──
そして今の時間を楽しみたい!
という雰囲気が
伝わって来るから、
そんなにたくさんいろいろできない小雨が
お手伝いをしてみたい、
おろそかになりがちな普段の用事や
こまごましたお仕事、
片付けに洗い物。
たまにお料理のアドバイス
求められたり──
小雨ではなかなか
お兄ちゃんにあげるチョコレートも
そんなに上手に作れないので
がんばってはみるけれど
みんなを助けるほうが
役に立つのでは?
みんなが──お兄ちゃんに
納得できる出来のチョコを
渡すことができて──
その喜ぶ顔を見ることができたなら。
お兄ちゃんも喜んでくれるなら。
だから、お手伝いだけだから──
小雨にできるのはそれだけだから──
あれ?
でもそれならどうして
思ったより忙しかったりするんだろう?
自分では前に出ないで
家族を支えていられたらと
思っているだけなのに
手が勝手に──
チョコを作ろうとしているのに
ときどき気付くのです!
どうしたことだろう!?
──なんちゃって。
小雨も少しお菓子は作れるのだけど
肝心な時に失敗したらと思うと
時間をかけて練習をしているのです──
大変だけど、これは
充実した忙しさだって気もしています。
あとは本番でちゃんとできれば思い残すことはないんだけど。
──もう少し、練習してから
今日は休もうかな?