観月

『東国の祭り』
ここにもそこにも
どこにでも
神様はいて、
みんなの日々の暮らしを
支え続けている──
慈愛に満ちた水の流れや
暖かな日の光に、
いつも人々は頼らねば
生きていくことはできない──
そしてまた、
雨に荒れ狂う龍神の大暴れ、
気まぐれに隠れる光に
一生をかけて翻弄され続け
目を閉じて祈る心と
何があっても毎日を続ける
たくましさを──
胸の中に燃える炎のように灯し、
神々の住まう世界に
今日も歩み出していくことになる。
時には、海を渡って
やって来るものが
とっても珍しくてありがたい
祝福であったり、
それは同時に災厄であったり
海に囲まれた島国は
加護と恐怖が入り乱れる
るつぼのよう。
そこの廊下を
曲がった先の
暗い影に潜むのも──
家族を守り厄を祓うなにものか、
それともあるいは──
この冬の時期に
冬将軍とともにやって来たのは
良い子のいるおうちをくまなく探し出し、
靴下に良いものを入れていく神様じゃ。
ときどきプレゼントのセンスに
疑問や、こう──人間らしい愛くるしさを思うときもあるが、
ともあれ。
悪いことは何にもしない
みんなが大好きな
優しい神様なのじゃ。
わらわが見たら、なんとなく
海を渡ってきたような気がしていたけれど
本当はどこにでもいて
昔からみんなを見守っていて、
日本の人はやっと
そのお祭りがあると知り始めたばかりだという。
良い神様の気配に気が付かぬとは
わらわもまだ修行が足りなかった──
クリスマスまでに
もっとしっかり鍛えて、
みんなを魔から守って良い子であったと
おひげのおじいさんにほめてもらいたいのじゃ。
わらわも、まだ小さいから
プレゼントももらえるかもしれないし、
なでてもらうこともあるかも──
もし近くに、優しくて暖かそうな気配がしたら
兄じゃにも伝えに行くぞ。
毎年のお礼をしたり──応援したり
出会ったらしてみたいことはいっぱいなのじゃ!