夕凪

『暑い日のお楽しみ』
9月になっても
まだまだ暑い!
夕凪、なんとなく
そんな気はしていたんだ。
鈴虫の声が
聞こえてきても──
朝晩におなかを出していたら冷えてしまっても、
それでもなんだか
予感がしていた──
まだまだ夏はそう簡単には
終わったりしないということ!
そうだったらいいなと
いうこと!
お兄ちゃんは、夏は好き?
今年の夏も何度も
同じことを聞いて
困らせた気がするけれど──
それでも、そんな話をしたくなる。
秋が好き? よりは
楽しそうな気がしない?
変わらない?
夕凪はねえ──
いつでもたくさん汗をかいて
帰ってきた日には、
お風呂に入ってさっぱりするのが
一番に楽しいと思う!
べとべとの体も
くたくたの体も
そうでなくっても
芯からすっかり
さわやかなお兄ちゃんの家族に生まれ変わる。
あんなにいいものは
なかなかない!
たまにくたびれて、お風呂にも入らないで
眠っていた日が
もったいないような気がするほどだ。
あーあ、でも
夕凪の予感がそろそろ言っている──
そう簡単には終わらないけれど
そのうちには
夏は終わって過ぎ去っていく。
ぎらぎらの日差しを知り、汗をかいて帰って
すっきりお風呂で体を流すのが楽しい日も
もう、そんなに多くは
ないかもしれないの。
これはいけない!
こうしては、いられない。
さっきお風呂に入ったけど
夜になっても蒸し暑いし
汗をかいた感じもしないでもないし──
汗を流しきれいになるのが
何よりも楽しい季節。
お兄ちゃん、9月になったけど
夕凪はまだまだお風呂によくいると思うよ!
はしゃぎ声が聞こえてきたら
のぞいてみて──
いや、だめなのか?
まあいいか。
ちょっと夕凪を探してみてもいいからね。