星花

『汗だく』
ででっ
ででっ
夕凪ちゃんが楽しく歌うと
みんなが踊りだす。
子供も
赤ちゃんも──
すばらしい歌に夢中。
心なしか桃色の花びらも
野良猫も羽のある虫も踊っているよう。
そうなればみんなもちろん
汗をかいて
お風呂を目指す。
そう!
くもっていたって
小雨が降ったって、
元気な子供が
汗をかくのは
止められない。
春が来たのだから。
しかも、よく見れば
あちらのほうでは
疲れでパンチに切れがなくなって
ジャスト判定を逃しはじめたお姉ちゃんたちが!
向こうを見ると
肌寒い日の辛めのお料理に、
久しぶりに作ったから
辛くしすぎたらしい春風お姉ちゃんが!
そして小さな妹たちと
追いかけっこで遊んでくれていたのは
お兄ちゃん。
汗をかくのは
のどかな春が来たあかし──
楽しかった一日のあかし。
そして、はしゃぎまわる日を
一緒に過ごしてくれる
家族がいるあかし。
だらだら
滝のように流れるみんなの汗──
その顔は
はずかしいけど、
もうそんなことは言っていられないな!
という顔。
みんなで入ると
やっぱりにぎやかで
うるさいお風呂の中。
もう!
春が来たせいで
一瞬もいい子にしていられないみたい。
それはもう
子供でもお姉さんでも関係ないみたい──
明日から、少し寒くなるかもしれないのですって。
それで本当に
楽しい毎日を知った子はおとなしくなるのでしょうか?
おどりながら
そんなことがあるだろうか──?
でも、そうじゃなくても別にいいのではないか?
おどる──
4月もまだまだこれから半分。
落ち着かない気温と
やがてもっともっと暖かくなっていく日を迎える小さい子たちに
私たちもがんばって備えていきましょう!