星花

『暑い夏』
今日も暑い日でしたね!
本当はもっと気を付けて
対策しないといけないのに
星花は──今日も
夕凪ちゃんと追いかけっこを続け、
汗をかいても何にも気にせず
夢中になって過ごしました。
ああ──
こんな星花を見た小さな子たちが
あれでいいんだとまちがって
暑いのも忘れて遊び始めてしまったら
どうしよう──
そもそも、自分が体を壊したらどうしよう。
はしゃいでいる間は
全部知らないような顔をして、
お姉ちゃんたちが注意してくれても
ごまかして──
また、いつも汗びっしょり。
涼しくなって
眠る前に落ち着いて、
夜の分の宿題の後で考えていると
やっぱりいけない気がします。
どう思う、夕凪ちゃん?
と尋ねてみても
いい顔で眠っている夕凪ちゃんは
特に何も答えてはくれない──
夕凪ちゃん、一日中はしゃぎっぱなしだから
布団に入るのも早いみたいです。
掛け布団も忘れて横になっているし──
パジャマにも着替えていなかったりするの!
明日の朝には
また、元気いっぱいでみんなの手を引っ張りはじめる
すごい力を早めに蓄えているよう──
星花はもうちょっと
かしこく夏を乗り切る方法を
きちんと覚えて、
夕凪ちゃんにも教えてあげるほうがいいですよね?
ひとつ年が上なんだもの。
でも──
それがいつになったら
本当にできるのか、
ちっともわからないまま!
吹雪ちゃんに聞いても
できないことを
すぐにできるようになるのは
あんまりないんだって──
一年後、
二年後、
中学生になり──
それまでに落ち着く
星花なのでしょうか?
妹たちにも恥ずかしくないような──
今は全く想像もつかない星花。
今年の夏休みも、まだこれから
楽しいことがいっぱいあると思います。
ある日──
まじめできちんとした
聞き分けのいい星花が
突然に現れたら、
お兄ちゃんはどうか──びっくりしないでください。
それは本当は突然ではなく、
だんだんそうなろうとしている星花が
憧れに近づいている瞬間なのかもしれない──
そんな星花を見つけたら、自分だけが知っている日頃の努力を
よくやったねってほめてあげなくっちゃ──
そうしてあげるのが、いつかこの先の目標です。
明日も──暑い日を過ごす星花のお話でした!
おやすみなさい。