ヒカル

『自分自身』
いつも最後に
頼りにするのは
自分の積み重ねてきた力──
反復練習を繰り返し、
理想通りの動きを求める。
人は高みを目指す──
だけど、厳しい道を進むとき、
一番の強敵として立ちはだかるのもまた
自分なのではないだろうか。
繰り返す練習で
気が付かないうちに変な癖がついていたり
それに、私たちから見れば達人としか思えない
春風の料理の腕前があったって──
たまには塩と砂糖を間違えることがあるという。
麗が難しい顔で
時刻表を眺め、
自由研究を進めている──
あの様子は、助けに入って
私たちの経験や知識や
少なくとも誰かが近くにいるというだけでもらえる力を
求めているのか──
それとも、誰も手を貸したりしないでいたら
大きく成長し、
立派に活躍し、
レギュラーを勝ち取るとか──
麗の趣味では、そういうことはないみたいだけど
今までよりも自分を頼る喜びが、自分と戦う厳しさが
わずかに身近になっていくような
そんな経験を積み重ねているのか──
私にはわからない。
いつも毎年、学校の宿題をまじめにやっていても
まだまだ知らないことだらけで大変だ。
うん、だから
妹のことを見つめる私もまた──
難しい顔で考え込んで、
自分の積み重ねてきた力と
がっぷり四つに取り組んでいる最中なのだろう。
とりあえず日課の運動で
気持ちを落ち着けるところから始めるか!