吹雪

『才能』
明日は日曜日──
長かった連休の日々も
もうまもなく終わり、
外出と言えば公園や図書館が
多かった毎日で
あまり変わり映えがなくとも──
それでも、休日を惜しむ声をよく聞きます。
私の家族は
特別なイベントのないお休みの日に
楽しむことを見つけ出すのに
優れた能力を持っているのであろうか──
それとも、長かった休日を
遊びつくすことができず
悔いを残すまだ課題を抱える身なのか、
どちらだと思いますか?
なぜか私は両方の可能性を等しく疑っているのです。
家族の能力を見分けるのに
あまり信頼できる力を持っていないかもしれない──?
才能と言えば、
我が家は名探偵としてあるべく生まれた子が多く、
海晴姉がお休みの間に
食事の予約をしておいたその日が──
あと一日となった休日の明日であると
予想している子がたくさんいます。
この説の根拠としては──
最初から予約を取れなくてごまかしているのならば
楽しそうに待っているような顔をしていないと思われること、
海晴姉は嘘をごまかすのが苦手であることが挙げられます。
また、食事の予約と言っても
混雑する連休に大人数の予約が取れるのか?
何かの都合で予約がキャンセルになったら?
といった疑問に対しても
海晴姉は得意そうな顔をしながら
全て任せておいてほしいと──
ふんぞりかえって胸をたたくことで
答えているようである──
この点は、むしろ海晴姉の嘘のつけなさではなく
どこか肝心な時に
抜けていることがある──
そこを心配する声もありますが。
どうやら、年長の何人かはすでに話を聞いているらしく
心配いらないと太鼓判を押してくれる──
我が家の年長がそろってどこか抜けているという
ほんのわずかな、しかし完全には見過ごせない可能性をいったん置いておくとしたら
私たちは素直に明日を待てばそれでよいのでしょう。
海晴姉が私たち家族を
楽しませようとするたくましい力に
信頼を持てること──
私に人の才能を見抜く目がなくても
それは間違いないと
なぜか言える気がするのです。
論理的な説明はできません──
私でも、そういうことはあるのだと思います。