ヒカル

『暖かい日』
穏やかな一日を過ごしている。
海晴姉は最近忙しそうで、
テレビの向こうでも
花粉の予想に桜の開花予想と、
いつもよりも仕事が多くて大変そう。
でもなんだか
楽しそうにしている。
子供たちにもそれがわかるのか
お天気お姉さんの物まねをして
はしゃぐ子が──
この頃なんだか増えてきた感じ。
そういえば海晴姉も
こんなふうに小さい時期は
テレビの物まねで大喜びで──
お天気お姉さんの真似もお気に入りだった。
ただお天気が好きで
仕事にするつもりなんて
あんまりなさそうに見えたのに──
どこかで予感があったのかな?
それならマホウ使いのまねが得意な夕凪は
将来はみんなに好かれる立派なマホウ使いになれそうだし、
星花だってもうすぐ
大好きな主君を見つけるかもしれない。
麗だってお気に入りの運転士らしい仕草が
どんどん得意になっていくようで──
えっ、何?
いま横で話を聞いていた麗によると
もう大きいからあんまりそういうことはしていないんだって。
なーんだ、残念。
うちみたいにたくさん家族がいると
きっと、こんなに立派な仕事を
選ぶと思っていたんだ!
子供の時からわかっていたんだって──
そんなふうに言葉をかけてあげられる子が
海晴姉ともうあと一人や二人くらい
あらわれても不思議じゃないな。
スポーツでは誰にも負ける気がしなくて
大きくなったらぜったい
サッカーの選手か金メダリストになるんだってはしゃいでいた
私の場合はどうやら──
あまりお手本にならないお姉ちゃんなのかもしれないな。
フフフ。
強い人が世の中にはたくさんいることを
今では知っているけど、
誰にも負けたくなくてついはりきってしまうのは
そんなに変わらない。
もう少し大人になったら──海晴姉はなんていってくれるのかな?
家族たちが私にとって自慢であるように、
ちょっとは海晴姉が褒めてくれる私になっていたらいいんだけど。