綿雪

『春の日』
今日も暖かくてやさしい日──
みんなの学校や幼稚園がはじまります。
氷柱お姉ちゃんたちと歩いて
図書館に通った道は
桜の花びらがかすかに散り始めて
少し前の厳しい冬には想像もできなかったくらい
夢のような──
きれいな眺め。
お花見をしてごはんを食べた裏山も
ひらひら花びらが降りそそいでいるんだと思うの──
また、週末に歩いてみたいってみんなと話をしています。
毎年見ていても
本当に、
こんなにきれいだなんて信じられないような春の日々。
ここ最近の暖かいのがいいのかな?
あの大変な冬を乗り越えてきたのも大事なことだと聞きます。
今日からはお兄ちゃんたちや家族みんなと顔を合わせる時間は
少しだけ減ってしまう──
大切なお勉強の毎日。
いろんなことを学んで、
新しく知ったことも宿題の成果も
全部おうちに持ち帰って
お話を聞いてもらう日々がやってきます。
だから少し淋しいのは
仕方がなくて──
きっと、淋しい気持ちよりもたくさんのことが
これからやってくるのは
お兄ちゃんや、ユキより大きなお姉ちゃんたちが言うんだもの。
間違いがない──きっとそう。
ユキは頑張ってお勉強をしてまいります。
大事なことです。
でも、きっと体が弱いだけじゃなくて
なんだか最近甘えんぼうのユキには
もっとたくさん暖かくて
固くおびえるようなつぼみを開くまで時間をかける日々が
もうちょっとあったらいいのになと
そう思うんです。
まだまだ朝晩は寒いことがある季節。
お兄ちゃんは──そんな時は
暖かくして過ごしたいと思うことはありませんか?
飲み物を飲んで
誰かがそばにいて──
だったらいいな、って。
もしもそうしたくなる時が
誰にでもあるのなら──
きっと、いつでもユキが
淋しがって
暖まりたくて
もう、すぐそのへんにいるのだと思います。
もしユキがお兄ちゃんの隣にいていいなら──
探してみてくださいね。
たちまち見つけられるはずです。