綿雪

『手をのばして』
今日のお手伝いは
洗濯物をたたんで仕分けます。
お外の風は強かったけれど
日が差すガラス戸のそばで、
みんなで手分けをしてと
そういうことになったから──
ユキもがんばろう!
って思ったの。
昨日はみんなでよく遊んで
汗をかいたから
きれいに洗ってしまっておけたら
みんな、とてもうれしいでしょう?
お手伝いが終わったら
好きなおやつをなんでも選んでいいって
お姉ちゃんと約束したから
子供たちは張り切っています。
といっても
昨日もよく食べたから、
残っているのは
このあいだ買い足したみかんと、
オーブンから出てきて間もない
かわいい型に収まってふるえるプリン。
おせんべいもあるそう。
楽しみですね──
みんな、きっとわいわいにぎやかに
選ぶんじゃないかなあ。
それまで、しっかり
お仕事、お仕事──
日が落ちる前の
暖かい日なたに集まるの。
やがて片付けも終わり
お兄ちゃんたちも帰って来る。
あんなに山になっていた洗濯物が
すっかりきれいになっていたら
喜んでくれるでしょうか。
ユキたちが手伝ったと言ったら
何と答えてくれるのだろう──
まだまだ大きくなくて
遊んでもらってばかりいる私たち。
見直したって
笑うかな──
成長したって
褒めてくれるかもしれない──
こんなに立派な
お仕事をしたのを
一生忘れないで
大事に覚えておかないと!
とまでは
言わないかもしれないけれど──
お兄ちゃんやお姉ちゃんたちに
いつも遊んでもらっている楽しい思い出と
同じくらいに
いつか喜んでもらえたらと思います。
それにしても、日向は暖かくてよかった。
そろそろ気が緩んで
うとうとしはじめるほどに──
眠ってしまったら
せっかく帰ってきたお兄ちゃんに
すぐに自慢に行けないのに──
今日もユキはがんばりました!
あしたも──
きっと
元気ですって
ちゃんと伝えなくちゃいけないのにな。
だから──
お外は寒いから、きっともうすぐだもの。
ユキのまぶたがもうあと少し
重たくなる前に、
帰って来てくれないと
さみしいなと──
思います──