真璃

『遊びの達人!』
もう絶対
なんとしても
誰にも見つからないぞ!
そう決めて
いっぱい飛び跳ね、
ぐーっとしゃがんで
隠れ場所を探す
かくれんぼなのに──
駆け回ったフェルゼンや
お姉ちゃまたちに
とうとう見つけてもらった時が
あんなにうれしいのは
なぜなのかしら?
子供たちで話しても
理由は決してわからない──
あの不思議な感じ。
これはきっと
小さな子たちの中では
ときどきまとめ役で
たぶんかしこいほうの
マリーがやがて答えを導き出すために
用意された
てごわい難問なのね!
ちゃんと考えておかなくっちゃ。
というわけで、今日もよく晴れて
風もなく穏やか──
人は誰もが
お外をながめ
ぬるんだ風を感じ
子供と大人が歩みをそろえて
変わり始めた街の景色に
ゆっくりと踏み出していく季節が
どうやらついに
やって来たような気がするわね。
子供たちは喜んで公園へ、
おうちのお庭へ、
なんだったら家の中を
あっちへこっちへ
何もかも新しい場所へ向かっていくみたいに
はしゃぎはじめる──
こんなにいっぱい
遊んでもらっても、
まだまだ全然遊び足りない気がするわ。
このドキドキを、
どうしたらいいのかしら──
明日に備えて
早く眠るとか──
楽しかったことを
大事な人に聞いてもらうとか──
体を動かしてお腹がすいたからつまみ食いするとか、
いっぱいすることがある気がしてくるの。
マリーは──後からあれをやればよかったなんて言わないように
新しい春に向かっていけるかしら。
明日もいろんなことが待っているような予感がするわ──