真璃

『星の砂漠』
サンタさんにもらえたらうれしい
プレゼントのリクエスト──
欲しいものが多すぎて
いまも決めかねている子だって
少なくないわ!
いつだって
自分と向き合い
一番の望みを見つけ出すのは
なかなか簡単ではないこと──
そんな時、
世界は広くて
人間にだっていろいろな教えてくれる
すばらしい教師だということを
思い出さなくっちゃ。
美しい眺めは
いっぱいあるけれど、
この寒い時期には
荒涼と冷たく
頼りない場所が──
どこか、今もみんなを取り囲む
冬の景色に似て
しみじみとした感じがいいわね──
オーロラの見える
あの北の地や、
動物たちと人間が
たくましく暮らす雪景色──
そして、今夜も頭の上に
またたく無数の星と
同じ眺めが見えるというあの
広大な砂漠の地──
そこには、長い年月に埋もれた
歴史も眠っているというし、
凍てつく夜を乗り越えようとする
突き刺すような美しく輝く意志が
あるという──
どんな感じなのかしら?
小さい子だから──ちっとも想像がつかないわね。
そんなふうに思いを馳せる時間を、
絵本や図鑑を見ながら楽しむの。
となると、やっぱり
マリーと、家族たちのクリスマスに
欲しいものは──
おおっと、ここからはヒミツよ。
相手がフェルゼンであっても──
これはマリーとサンタさんの約束。
内緒話は──明かすわけにはいかないわ。
どうか、いい子でがまんしてね。
そのときが来たら、きっとマリーからフェルゼンに伝えたいお話が
できると思うわ。
きっとね──