『おたすけしたい』
星が瞬く
冬の夜空に──
今夜も悲鳴が響き渡る!
きゃあーっ!
たすけてえ!
おててが──
かさかさするの!
びゅうびゅう北風が
みんなの住む家を取り囲み
おそろしい乾燥をさせているわ!
マリー、まけない。
だって愛しのフェルゼンと
いつもあなたを支えていたいと
手を取り合った時──
かさかさしていたら
申し訳ないもの!
ちょっと元気がなさそうな
冷たい手のひらになってしまったら
がんばってフェルゼンを愛したいマリーが──
力を出し切れないかもしれない。
ああ、フェルゼン。
あなたのために
元気が出るお歌を歌い。
楽しい踊りを見せて
おいしいミルクを運んであげたい。
でも、マリーは
あなたのおかげでときめき
情熱を伝える
この体温を
何よりも知ってほしいの!
あったかいと心もちょっと
ほっこりするでしょう?
ほんの少しでも
フェルゼンの気持ちが和らぐように、
マリーは手のひらに
ハンドクリームを塗るわ!
強いおそろしい風は
いつも冬のわがやを襲う。
大丈夫!
フェルゼンがいてくれて
みんなは勇気を出し、
一緒にいられることをうれしく思いながら
助け合ってきたんだもの。
春がもうすぐそこという時になって
手のひらも──
しっとりさらさら
あたたかく。
フェルゼンの助けになりたい──
そんな手のひらよ。
フェルゼンもおててがかさかさして
困ったら
マリーのところにやってきてね。
あたためてあげたくて待っている手のひらが
そっとクリームを広げてくれる──かもしれないわよ!