真璃

『パーティー!』
今日はホワイトデー。
マリーを愛してくれるフェルゼンは
家族みんなの長男。
きっとこの日を迎えるまでに
大変なこともいっぱいあったと思うわ!
そんなに気を使わなくていいのに──
マリーはフェルゼンといられるだけで幸せなんだもの。
とは、思いながら。
それもあるけど
マリーのことを思って
用意してくれたお菓子があるんでしょう?
それって──
受け取る女の子は、どうしたって
うれしくて、
幸せで、
どきどきするわ!
きっと──マリーがまだ小さい年長さんだからなんて、
そんな理由ではないはずよ。
まあ──そんな理由も少しあるかもしれないけど、
でもね、マリーは思うの。
毎日幸せな日々を
一緒に過ごしてくれるあなたと──
平凡な毎日を重ねることはとても大事だけれど、
特別な日にしたいな!
喜んでもらいたいな!
そう考えながら
探してくれた贈り物もまた──
フェルゼンのいいところを
たくさん教えてくれることもあるのよ。
もしかしたら、こんなふうに
特別な記念日を迎えることがなかったら──
なかなか見ることができない
フェルゼンの魅力を見つけるのかもしれないわ。
イベントの日って──
わくわくするものよ。
もちろん、そんなことがなくたって
愛しい人と静かに過ごしたい子だって
たくさんいるんだから、
マリーのわがままばかりはそうそう通らないかもしれないけど。
お祭りの日はいつだって楽しいの。
マリーの好きな人がお招きしてくれるなら
なおさらのこと──
マリーのおいしいお菓子はどこかしら?
お行儀が悪いかもしれないから
ここだけのこっそり教える本心だけれど、
あなたの贈り物なら
パンがあっても──食べたいわ!