真璃

『カムカムナンバーワン』
愛に生きる女
マリー!
人類の歴史は長く
あまたのラブロマンスが生まれたの。
強い愛
燃え上がる愛
叶う愛と
叶わぬ愛。
人を動かし
狂わせもするのは
いつも愛のすさまじさなのよ!
おそろしい……
人は愛と離れて生きてはいけないなんて!
いっぱいの人たちが地上に残した
すべての足跡に
愛の名残りは今も消えることなく残されているわ。
そしてやっぱり人類で最も情熱的で
愛の炎が天を焦がす時代の一つといえば
マリー・アントワネットのフランス革命ね!
悲劇の女王として名を残しながらも
その生涯は
ちょっとフィクションで脚色もされつつ
今も人々の心を引きつけるの。
マリーにはわかるわ。
世の人がいくら好き勝手を言ってみたり
うわさに尾ひれをつけてオーバーに伝えたり、
あまつさえお菓子好きのわがまま女王のイメージがついたって
本当の真実のどまんなかにあるのは
素直な自分の気持ちを信じて生き抜いた
ただの一人の女性としての生涯でしかなく
それゆえにこそ
愛なくしてはいられない全ての人たちをひきつけるのよ。
そう、時が経とうとも
愛はどこかにあって
目に見えなくても、命が尽きてさえ
永遠に消えることなんてないのだから。
そんな女王の生まれ変わりが
フェルゼンの目の前にいる
まだかわいいおしゃまな女王様よ。
スタイルでは──
もしかしたら負けているかもしれないけど。
あとはだいたい同じか
バレンタインなんてすてきなイベントを過ごせることにかけては
今のマリーのほうが上かもしれないくらいね!
そしてフェルゼンを愛することももしかしたら──
実現できないとわかっていても
一度会って競ってみたいわね。
絶対に負けるわけには行かない女の勝負。
こんなに燃えるシチュエーションがあるかしら!
そういえば、バレンタインの前に
もうひつイベントがあることをフェルゼンはごぞんじ?
そう、おうちに福を呼び込む節分よ。
福って──なにかいいものなのでしょう?
誰が一番フェルゼンを幸せにしてあげるか
戦いはすでに始まっているのかもしれないわね!
マリーの豆が誰よりも
一番優雅に、鋭く──
そして上手に鬼を追い払えることを
幼稚園でも家の中でもはっきりさせる時が来たわ。
大人たちにも、同い年のレディたちにも
美しくて優しいお姉ちゃまたちとがっぷり四つであろうとも
体格や経験の差を言い訳にして負けを認めるなんてことは
絶対にできない──
激しい戦いのはじまり。
イベントが多いっていいわね。
きっとマリーとフェルゼンの頭上に輝く栄冠が増えていくわ。
すてきな思い出と同じ数だけ
愛の強さを見せ付けてしまいましょうね。