ヒカル

『月の海』
今日は月がきれいな日だ。
こういう日は家族で一緒にいるのが
いちばんだな。
うららかで、のどかな夜に
いっぱいのおだんご。
やさしい眺め──
こんな時間を過ごせるなら
少し涼しくなった夜だって
年の割には夜更かしが苦手な性格だって、
何も問題はないと思う。
あんまり月がきれいすぎると
どこか遠くの国では──
あの白い光でおかしくなってしまうんだそうだ。
見ているのは、同じ月のはずなのに
不思議な話だ。
たぶん、子供に夜更かしをさせたくない誰かの
苦し紛れのでたらめだったんじゃないかな。
そうなると、子供みたいに
あまり夜遅くまで起きていられないほうの
私だって──
あの月ばっかり眺めていないで
明日に備えて寝なくちゃいけないんだろう。
きっとまた、いろんな楽しいことがある秋の日だ。
どんなにきれいで
もう少しこうしていたいとしても
ずっと夜遅くまでなんて
私にはできないんだから。
でも──
もしも、こんなにいい夜に
もう少し夜を過ごすことができるのなら
それは大きくなって好きなことが増えて
できることも多くなったと思える
うれしいことなのかもしれない。
この胸の思い──
今年もみんなと過ごせてよかったお月見の日。
ふああ──
いつか、もっと長い時間を一緒にいられるようになるのかな。
まだ誰も知らないずっと先の話。
その時もまた同じように、変わらぬ月を家族と見ていたいな。