『簡単ではない』
秋の夜は長く
なんでもできそうで
すぐに夢が叶いそうで、
それなのに──
過ぎてしまったら
あっという間。
振り返ると
豊饒なはずの時間は
ただ、だらだらしていただけだったのよ。
夢は覚めるもの。
願いの多くは
叶わないもの──
そんなこと、
みんな知っているはずなのにね。
不思議なことに
希望を語る言葉は途絶えることはない。
秋の夜長に
まだ期待している声は──
どこからでも、
あるいは
とっくにあきらめたつもりの
私の中からも──
しつこく湧き出して
人を踊らせ続けるのよ。
どう?
だらだら過ごしてる?
それとも、なんでもできるはずだと
頭に思い浮かんだことのひとつくらい
実現できているのかしら。
大人だものね。
私より、年上だもの。
あなたは──
こんな面倒くさい私よりも長生き。
そんなに長いこと
いろんな経験を積み重ねてきたら
イメージ通りの豊かな秋の一日だって
一度くらいはあったのでしょうね。
私は──
気が付いたら、時間が過ぎて
後悔しているタイプ。
頭の中で計画は立てていたはずなのに
なんでだろう?
子供にはまだ難しい問題みたいだわ。