『りゅうせいぐん』
ほって
ほって
またほって──
まだまだ
でてこない。
さくらの
たからものをしまっておくのは
きれいで
あかるいももいろのはこ。
さくらのすきなものは
なんでもはいっていて、
あけたり、
とりだしたりすると
いつでもうれしいの。
ほんとうは
すきなものも──
はいっていないものもあるけれど、
お兄ちゃんははこにはいらないもの。
にがおえだけがはいっているの。
ところが
さいきんは──
みっしり
ぎゅうぎゅう
いいものばっかりが
つまりすぎて、
う、うええーん!
さがしものが
たいへんなの──
いますぐつかう
あおいペンが!
おにんぎょうの
おおきなおくつが!
ねむらないで
おまつりするときにつけるという
おめんが!
みどりいろのガラスのほうせきが!
くじゃくのはねが!
ながれぼしのペンまで──
どこにいったかわからない。
ぐっすん。
どれも──
すぐつかうのに。
さくらのたからばこは
いいものばっかりが
どさどさあふれている。
そろそろ──
はこを
もうひとつくらい、みつけておかなくっちゃ。