虹子

『みなみへ』
そうぞう
してみて──
ぎらぎらと、あついはまべに
うちよせるなみのおと。
いろとりどりの
もようの──
とりのなきごえ。
うわぎをきていられなくて
ついにぬぎすてた
みんなのみずぎすがた。
さむいふゆがきて、
こごえるから──
みなみのしまにあこがれるこが
ふえているの!
みなみのしまには
むじんとうがあって、
おおあらしがおとずれて、
ひとくいのさめがいて、
どうくつがあって
ふるいむかし、
かいぞくのじだいに
そのどうくつに
かいぞくが
きんぎんほうせきの
おたからをかくして、
うめたおたからのありかを
しられないように
ころされたしたっぱかいぞくたちの
がいこつがつみあがっていて、
のろわれたかいぞくのおやぶんは
かいぶつになって
くらいどうくつのおく──
いちねんじゅう、まなつのようなしまの
そこだけはひんやりとした
ふかいふかいやみのなかで
おたからをまもっている。
うわー!
いきたいね、
みなみのしま。
にじこ、サンタさんには
みなみのしまのえほんをおねがいしたの。
もっともっと
みなみのしまのことをしりたいな。
そうぞうしてみて──
すべてのふねがめざすのは、
いまもひみつがねむるしま。
せかいのどこでも
もうみることのできない
おまつりのおんがくとおどりが
むかえてくれて──
ふるくからのこるおおきなたてものや、
まだだれもはいったことのないどうくつが
ひとびとをまっている。
みなみのしまなんだから
そうにちがいない!
いつか、かぞくでいけたらいいね──