綿雪

『いちばんの絵日記』
夏休みの宿題のひとつ、
いつもわくわくして
ときどき書くことに困ったりもする
それは絵日記。
わたしの毎日にあったことを
素直な気持ちで──
思うまま──
楽しかったです、と書くことができたら
宿題は花丸。
よくできた内容に書けたなら
自分もうれしい。
そういう、絵日記という宿題があることを
お兄ちゃんも知っているよね──?
ユキはそんなにお庭を駆け回ったりはしないから
書くこともあまり多くはないんだけど──
まぶしいほどきらめく空の青色に
突然の雨でグレー、
激しい夕立の後に
小さな虹がかかった時だとか
色を選ぶ手にも力がこもる。
自分で──よくできたって納得して
ベッドに入れる日もあります。
そうすると
いつのまにか──
絵日記に書くことを探して
お散歩の時間を長くしてみたり
お手伝いしながら
お姉ちゃんたちに相談してみたり──
夏休みがあるから
絵日記を書く、ではなく
よい絵日記のために
夏休みの経験がある──という気分で
少しこんがらがることもある。
そんなとき、お姉ちゃんたちは
ユキちゃんが書く日記だから、
心を込めて描く日記だから
それだけでいいものに決まっていると──
だから絶対大丈夫だと言ってくれます。
書いている本人は──
本当にそうなのか
なかなか、わからないけれど。
たまにそんな言葉を思い出しながら宿題を書いています。
毎日、暑くて大変だって同じ話になりそうで
気を付けながら。
涼しいおそうめんの日だったとか
みんなと暑さ対策の相談をしたとか、
ユキのお兄ちゃんにいろんなお話を聞いてもらったりだとか──
こんなのでいいのかな?
難しいものです!
今日の絵日記の内容はたぶん──お兄ちゃんとの交換日記のこと。
ときどき内容に迷う絵日記のお話をしたこと!
ユキの宿題が花丸になるように──お兄ちゃん、今日もユキとお話してくださいね。
青色の色鉛筆がよく減っていく、今年の夏休み。
お兄ちゃんと過ごす場所の色が──また絵日記に増えていきます。