ヒカル

『ヒカルの秋』
ふわああ──
今日はずいぶん
体を動かしたな。
ちびすけたちも満足してくれたらいいけど。
9月も半ば。
まだ暑い日は続くけど、
よく見れば──
だんだんと
家族それぞれ、
いろんな秋を迎えようとしている頃。
走り回ることしか知らなくて
一年中まるで変わらないような私でも、
なんだか前より
心なしか、
体が動くようになっているのは
気のせいだろうか?
遊んでほしがっている
子供たちも──
転がるように駆け出して
楽しもうとする時間が
多くなったようにも見える。
しばらく相手をしてやったから、
今ごろはぐっすり眠っているか
おなかをすかせてキッチンのほうに向かったか、
それとも今度は芸術にも手を出すのか、
難しいことを知らない
私を置いて──
どんな秋を
これから過ごしていくんだろうな──
春風や霙姉たちと違って、
私ができることはあんまりないから
こうして運動の秋に相手をしてやれるのは
うれしいな──
この季節だけの
特別な思い出が作れそうだ。
妹たちも──
楽しく走り回ってくれたかな。
すっかり満足して
ベッドに入って、
そしてまた明日には元気な顔を見せてくれるような
そんな充実した時間を
一緒に過ごせただろうか?
ふわあ──
もともと頭を使うのに向いてないのに、
思いっきり動いた後だから
どんな疑問だって、もう私の頭では答えなんて出ないけど──
今日は、がんばった気がするぞ。
いつもよりもよく眠れたら、最高の日だな!