虹子

『センチメンタル』
どうしよう!?
なつがおわり
にじこが
かさねぎをするころ──
なんだか
さみしいの。
みんながおうちに
いつもいた
なつやすみがとうとうおわったから?
いしのしたを
ひっくりかえしても
もう、おおきいむしは
あまりでてこないから?
はるかおねえちゃんが
みんなにかぜをひかせないと
おりょうりを
がんばり
みんなでおてつだいするきせつ。
にじこちゃんが
あそんでほしくて
こまっている!
でもね、あきがくると
おんがく──
ごほん──
うんどう──
げいじゅつに
よいきせつなんだって。
にじこ、にさいだから
げいじゅつといっても
よくわからない……
そらちゃんにきいても、
あーちゃんにきいても、
げいじゅつってなんだ!?
とか、
あっばーだっだ!
とか、
ばぶー!
とかばっかりなの。
あっばーだっだ、と、ばぶー、は、あーちゃんだよ。
これはいけない!
みんなのために
にじこがどこかで
げいじゅつをまなんで
ちいさなこどもたちのおへやに
たいせつに、もちかえらなくては。
あきがきたら
いまこそ
あきらしい
たのしいあそびを
おぼえなくちゃ。
だれが
しっているだろう──?
このはがおち
かぜがふくひも、
ちっともこわくない
すばらしいあそびを。
きっと──
にじこにいつもやさしい
おにいちゃんなら
しっているかもしれないな。
むずかしいことを
しらないにじこ、
そんなきがするの!
おにいちゃんも──そう、おもうでしょう?