『どうでもいいから』
あなたもやっぱり
雨なんて知らない
すっきり晴れた日のほうが好きなの?
それとも、都合よく
ずっと一日涼しいままがいいなんて
言ったりするのかしら──
まさか、天地の営みを
自分の思い通りにできると決め込んで
いっぱい晴れた後、
遊んだ後で涼しかったら
最高!
なんて言ってみたりして。
その顔──
図星を突かれたようなまぬけな顔をするのは
今言った中に
まさに答えがあったようね!
いいのよ、別に。
私の顔色を窺わなくたって
好きな主張をすればいい。
まったく──
暑かったり
しけっぽかったり
すぐめんどうくさくなる
こんなお天気には
勝手なことを言ってみないではいられないわ!
空模様なんて、何一つ
人間の思い通りにならないことは
世の中の定めだけど──
きっと、自然の前では思いのままになることを知らない
人間というものたちは
何かしら自分勝手にあーでもないこーでもないと主張をしないと
いられないのね。
そうしてこれまで生きてきて
代を重ね
歴史を作ってきたんだと思うわ──
夏の暑さを乗り越えていくとは
そんなふうに
時々どうでもいい話をして気を紛らわすことなのね。
私?
私はどうでもいいわ。
自分でなんともできない話なんてしたくもないし
繰り返す夏を乗り越えて、
次代に何かを継いでいくなんて必要もない。
ただ、私とは違う
大人の人なら──
多少は頭のいいことを考えているのではないか?
と、思っただけよ。
こんなにややこしいお天気が続いても
なるほどそうなのかと
納得できるような知恵を──
世界で一人くらいは持っていてもいいものなのに。
暑い時に
暑いと言っても
しかたない!
だから涼しいところへ冷たい飲み物を運んですごすの。
あなたは──夏の間はあまり
私の姿を見ないことになるかもしれないわね。
でも、全然気にしないでいいからね。