吹雪

『ポーラスター』
誰にもその人だけの
指針があると聞きます。
暑い夏──
体力を奪い
運動・思考の両面で
通常の能力を奪っていく季節。
この夏休みを
乗り越えていくには、
それぞれが自分なりの方法で
立ち向かわなければならない。
特に先のことを考えず、
家族の顔を見たら
うれしくなって──
頭に向かって登りだすあさひは、
最近見なかった小雨姉や麗姉と会えて
とてもはしゃいでいるようだけれど、
そのためにすぐ
誰かに抱っこされたまま眠ってしまう。
一方で、ヒカル姉は
体を動かすのを
抑えきれない性格でありながら──
自分に合わせた適度な休憩、
水分補給と充分な栄養の確保により
いわゆる夏バテとは
無縁の生活を過ごしているようです。
ただ、少し
みんなの好きな怪談が盛り上がった日は
睡眠に影響を及ぼしている様子。
怖い話は──
あまり健康に良くない気がします。
では考えて行動するのが
良いのかどうかといえば。
観察力と学習能力に優れ、
怒られたことも褒められたことも
毎日よく覚えていて私たちに話してくれるのが
夕凪姉のはずなのですが──
なぜか、どう考えても遊びきれないはずの
持ちきれない量の遊び道具をカバンいっぱいに詰めて、
公園へと向かって荷物を引きずる姿は
無理だとわかっていても
キミが声をかけたら
思いつく限りの遊びをしたくなる
うれしさが何よりも優先する──
そういう姿に見えます。
分かっていても──止まらない。
夏が暑くても止まる理由にならない。
ちなみに、夕凪姉に対する
動物の観察のような語り方は
一応冗談です──
でも、それならば
ヒカル姉のこともあさひのことも
冗談のうちで──
意味もなく目的も持たない軽口なのではないか。
そう思います。
これはもしかすると
あまり冗談を思いつかない私が
夏の影響を受けて思考能力に大きな問題が発生している
可能性がある──
はい、もちろん冗談です。
今日も暑い日でしたがキミの体調はどうですか?
涼しいところで、冷たいものでも飲みながら
みんなと話をするのが
有効な対策の一つであると
暑い季節を過ごす家族が──教えてくれました。