星花

『今日も』
あまりぱっとしないお天気。
にわか雨に降られては
外で遊んでいた子供たちが
縁側に逃げてくる繰り返し。
お姉ちゃんたちは、最初から
天気予報を知っているので
だいたい家の中にいて様子を見ているんだけど、
小さい子にはそんなのわからないもの。
雨がやんだように見えて
ぱーっと走り出しては
濡れて戻ってきます。
星花は
そんなにお姉ちゃんの方でもないから
二回くらい濡れてきて
タオルをかぶったまま部屋の中にいました。
毎年、この時期に迎えるかんかん照りの暑さを思えば
もう少しの間、涼しい日があったって
いい気がするのはまあそうなんだけど。
でも、暑い日には
暑い日の楽しみ方もあるのだから
うーん、そうだな──
そろそろ──
気持ちも準備を
始め出した気が──
ちょっとします。
7月も半ばを過ぎて
アイスと花火と
あさがおとひまわりと──
水着とビーチサンダルと
ビニールプールの季節が
そろそろやってきても
いいのではないかと
小さな星花の胸のどこかで
声が聞こえるいるような──
でも、お姉ちゃんでもなく
こわがりのままだと
暑い日差しの下に飛び出して、
二回くらいでまた
部屋に戻って来るのかな?
夏が来るまで──星花にはわからないことです。
でも、もしかしたらお兄ちゃんはもう知っているのかな?
まだ小さい星花が
早めに夏休みの宿題を進めながら
今年の夏を、どんなふうに過ごすのか
お兄ちゃんならもう──
もしかして──
今日はまだ見上げる空は
ゆっくり揺れる雲も、たまに顔を出す青い色もまだ
なんにもはっきりしないみたい。
私たちのおうちには、きっとそのうち
暑い夏が訪れるけど
首を長くして子供たちは──もう待ちきれないって言ってます!