『暑気』
闇に帰る時を待ち
全てが塵になることを知る
私たちも、
暑い夏の
今日──
あまり食欲がない。
汗をかいて
水ばかり飲んで、
これではいつか塵になる前に
夏バテでダウンだ。
それはちょっと
良くない気がする──
せっかくの夏休みがもったいないし。
そう──
そこで、私たち家族は
集まって知恵を絞り、
栄養のある食べ物で
力を付けようとするのだ。
この大変な暑さを
乗り越えたら、
いつか私たちは
そんなこともあったと
懐かしく思うことも
あるのだろう──
そしてまた、
そんなに遠い先の話をしなくても
またおそうめん!
するする入るのはいいけれど、
こんなにおそうめんばかりでは
力が出ないと
みんなで過ごした夏の日々を思い出し、
別のものを食べたくなるのだろう──
いつか──
私たちは──
まるで、最初からそうなるように決められていたみたいに
そんなふうに過ごすのだ。
そこで、この
冷やし中華の出番ということになる。
上に乗せる具材を選べば
栄養もとれる。
そうだ──
いつか、やがて儚く消える私たちは
今日は冷やし中華
力を付け、
喜びあい──
元気が出すぎて走り回った子が
お皿を落としてしまったりした。
まるでそうなると決められていたように──
自然に日々を送り、
私たち家族は、夏の一日を終える。
明日は──
何がいいかな。
麺類が続くし、ごはん物も喜ばれるかもしれない。
こうして過ごすのが夏休みだ──
がんばって頭をひねった分は充実していたし、
今日は、あまり一日を無駄にしなかった気がするな。