虹子

『ほんだな』
こどもたちは
あのはげしい
なつのひかりにさそわれて──
おそとであそぶ。
おいかけっこもして
おどりもおどる。
でも、ときどき
おうちのなかで
すごすことがあるの。
おつかれのとき、
ひがつよすぎるとき、
そしてにじこが
おもしろいおはなしを
ききたいとき──
にじこは
みんなとてをつないで
ほんだなのまえへ
はしっていく。
そこには──
おねえちゃんたちが
よんでそだってきた
えほんがあって、
おにいちゃんが
よんでくれるひもある。
えほんのなかには
いろんなせかいが
ひろがり──
おもしろくて──
にじこはいつも
よろこぶの。
どきどき
はらはらしながら
にじこのゆびは
ページをめくり、
やがてにじこは
えほんをてに
じかんをわすれる──
ああ、いつまでも
おにいちゃんや
みんなと──
ほんだなのまえにいられたら
それはとっても、いいことだ。
え?
にじこが
おねがいすると──
ほんだなのまえにいっしょにいてくれるの?
にじこがずっと
すきなだけ──
おもしろいおはなしをしるとき、
おにいちゃんもいてくれる?
ほんと!
そんなひがやってきたら
にじこはもう
おおよろこびだよ!
あついなつの
おやすみで
みんながいっしょに
いてくれるっていうよ。
なつのおかげで
ねがいがかなう──
だからにじこ、いっぱい
ほんだなのまえで
すごすのよ。