『努力は報われる?』
なっとう!
世の人は──
自分で作ったお料理は
残さずおいしく食べられることもあると、
そんなうわさをささやくわ──
それなら、マリーもいつかは
納豆をおいしく食べられるかしら。
ううん、別に
ちっとも食べられないわけではないし、
そんなに無理をするほど苦手でもないけど、
においが強い食べ物は
好みがあるし、
マリー、まだ小さいから
香水をつけて食べた後のにおいを残さないことも
できないじゃない?
こどもはせつない──
まあ、マリーだって見聞を広めるために
なんでも好き嫌いなく食べたいの。
だいいち、みんなが苦手そうにしているのを
マリーまで嫌がったら
栄養いっぱいの納豆に悪いし、
むしろ誰よりもおいしそうに食べるのが
王妃の生まれ変わりとしての役目だと思うわ!
ホタお姉ちゃまに聞いてみた、
納豆のお料理に使えたり、
組み合わせたりで輝く
定番の組み合わせ食材としては──
おねぎ、なまたまごはもちろん
温泉たまご、ツナ、ひじき、アボカド、チーズ、そぼろにキムチ。
人はお料理と向き合う時、
必ず納豆のみんなに食べてもらえる作り方を考え、
きっと終わりなく続く長い道のりを歩み出すのだと
ホタお姉ちゃまは教えてくれたわ。
ちょっと大げさな気もするわね?
でも、そのくらい壮大な挑戦のほうがマリーに合うかもしれないわね。
ううん、でも
やっぱり少し不安はある。
おいしくできるかな──
残してしまったらどうしよう──
こんなとき──
フェルゼンがいれば何でもできる気がするのに。
あ、そうだ!
じゃあマリーがおいしい納豆アレンジレシピを
残らず食べきることができたら、
フェルゼンがいっぱいほめてくれるっていうのはどう?
まだちっちゃいマリーだもの、
このくらいおねだりをしたってぜんぜん悪いことじゃないのよ?
わあー、楽しみ!
一人ではできないことも誰かと協力すればできるって、
子供の教育的にもいい気がするし
やらない手はないわ!
フェルゼン、かわいいマリーへ贈りものにする
ほめる言葉を
いっぱい考えておかないといけないわよ。