春風

『難しいことは抜きで』
最近はみんなが
食べることに興味を持っているみたいで、
うれしいです。
寒さに負けない体を作るのは、
どうやってもたくさん食べて
栄養を摂ることが必要ですものね。
誰もがおなかいっぱいになるまで
春風は、みんなの好きなものを作っていきたいと思います。
ところで王子様は
春風の好きなものは知っている?
どうしても欲しくて──
いつでも、そのことだけで
頭がいっぱい。
春風を一年中うれしくさせたり
ときどき切なくさせたりする
いけない──なんだかすごいもの。
きっと、もう知っているのでしょうね。
春風でもそのくらいはわかるんだから。
なんて。
困らせるのは、これくらいにしておいて。
次は──やっぱり、この話も困らせてしまう?
王子様の
好きなもののことも
聞きたいのです──
優しいあなたのことだから、
小さな妹の好きな食べ物でいいよって
言うかもしれないけれど、
人間の体はよくできているから、
その時に一番食べたいものが
今、一番体が必要としている
栄養だったりすることも
たまにあるそうで──
細かいことはいったん忘れて
自分の思いに身を任せるのも
時には必要なんじゃないかと──そんな話もよく聞きます。
大丈夫。
春風がちゃんと
一番そばにいつもついているのだから──
王子様が太りすぎてしまったり
欲しいものが食べられなくて
願いがかなえられないなんてことは
決してない──
これから一生内に決まっているのだから、
どうか私の王子様、
遠慮なくなんでも
あなたの春風にお願いしてみてくださいね。
春風はいつでも、その時を待っています。
私の一番大事な──愛するあなたへ。