綿雪

『フォーチュンテラー』
海晴お姉ちゃんは
運動の趣味で仲良くなった
大学のお友達と
リモートでお話をしています。
そのあいだ──
ユキが預かった
輪っかがひとつ。
これをうまく
使いこなすことができれば、
二の腕はすっきりして
ぽっこりお腹は改善し、
疲れにくい体も作れて
肩こりまでよくなる人もいるという!
ヒカルお姉ちゃんみたいに
かっこよくなれるかもしれないし、
抱っこをおねだりする子供たちに囲まれてさえ、
後れを取らないように
できるかもしれない。
ただ、そのためには
大変なこともあるし、
何より自分のペースに合わせて
続けることが一番大事だけど──
というか、続けることができれば
他の運動でもいいので、
何よりも続けやすいというところが
すごいらしい。
ユキの知らない力を持って
困った人を助ける輪っか。
ううん、人を助けるのは
自分地震を信じる力!
そして筋肉の力!
と、ユキが横で見ているときに
ゲームの中で入っていました。
押し込んだり
引っ張ったりすることで──
ユキも力が付くかもしれない。
自分自身を
支える助けになる
何かの力が──
でも、そんなすごい力は
簡単につくものじゃない気もします。
やっぱり海晴お姉ちゃんはすごい!
ふうふう息を切らして、
時には気合を入れる声を上げながら
困難を乗り越え、
さわやかな汗を流している。
あんなふうに
大変な思いをしても
逃げない強さがあるなら
いつかユキだって
大きくて
やさしいお姉さんになれるかも──
でも、今はリングを押し込むのにぷるぷるするだけ。
いつか、このぷるぷるする日の積み重ねが
強い体を作ってくれたらな──
努力を続けた日々を
知る者は──
ただ筋肉だけなのだそうです。
ここまで鍛えるには
眠れない夜もあっただろう!
一生の友を身に着けるため、
もう一回だけ
押し込む努力を──もう一回だけ!
今日は続けてみたいです。
大切な努力を
海晴お姉ちゃんに返すまでの間に──