小雨

『サンシャイン』
たいへん!
今日も我が家は大さわぎ。
家中を駆け抜ける足音、
天まで届くような笑い声。
そんな中で
いちばんみんながおどろく
大問題となると、
どうしちゃったの!?
立夏ちゃん!
ということ。
しなしなで
元気を失って
ピンとならずに
しおれちゃってる──
そう、立夏ちゃんは
ひまさえあれば
お日様の光を浴びようと背を伸ばしている子。
朝も昼も──
そして日が暮れて真っ暗になるまで帰らない。
あのまぶしい太陽に
頭からつま先までエネルギーを吸収しておかなければ
誰より明るい
あの笑顔も見せてくれないんです。
という説明は
少し大げさな麗ちゃんの表現も混じっているのだけど──
最近、急に寒くなって
冬服を出す片付けもしないといけないし
子供たちが外に言って風邪をひかないか
見ていないといけない。
立夏ちゃんは風邪をひかないから見張っていてもらうにはいいって
冗談っぽく言う子もいるけれど、
小雨はやっぱり立夏ちゃんも暖かくしてもらいたいので
手伝うこともあるんです。
立夏ちゃん──
たまにはお外で遊びたいって
すねちゃった。
ごめんね、立夏ちゃん。
でも寒い日が続いて
みんなも──小雨も心配なんです。
季節の変わり目の
こういうときに
無理をしない、
というのは
わかっているとは思うんだけど
納得していても
やっぱりまぶしい日の下で
体を動かしたい時もあるのだそうです!
いい子でよく育つには
立夏ちゃんの場合だと
必要なのだと本人は言ってます──
これから冬になって
くもりがちになったら──
そして、いつかやがて
立夏ちゃんがお嫁さんになって
新しい暮らしを始めたら、
いっつも晴れてばかりの空を見つけられるのでしょうか。
うーん、いつか立夏ちゃんと一緒にいる人が
太陽みたいに暖かくて
いつも元気をくれる人だったらいいのに──
あ!
そういう人なら──
あ、ううん、なんでもないです。
立夏ちゃんが早くいっぱいの日差しを浴びて
よく育つといいですね。
ところでお兄ちゃん、
ときどきは立夏ちゃんと遊んであげたい気分になること、
ないですか──?