『強がり』
雨なんて
ちっとも嫌じゃないし
困らないし──
ひとつだって気にならない!
それに何より、
雨上がりにはきれいな虹が
出ることもあって、
晴れの日とは違うもの!
……
というわけで
実際のところ、どう?
ずっと曇り空ばかり見つめる
どんよりとした日もあれば、
気持ちの良い快晴が
午後には荒れだす強い風とともに
夕立へと一瞬のうちに変貌する──
折り畳み傘を忘れないようにするのは
まあ、準備が簡単だからまだいいほう。
帰り道に立夏ちゃんにでも見つかって
相合傘を要求されることだって
多少濡れるくらいなら──
それでも家族の役に立てるならかまわないとしましょう。
変わるかもしれない空模様を考え、
いっぱいの洗濯物を手に
じっと雲の動きを探り──
風の冷たさを感じ取ろうとして──
自分の中でついに下した判断が
青信号、すすめ!
だったはずなのに
気配がまるでなかった雨は
人の気持ちなんて知らず
たちまちやってくるの。
もう少しわかりやすい知らせがあってもいいんじゃない?
自然を前にそんな甘いことを言っても
仕方がないのはわかるけど──
というわけで日々生乾きの洗濯物は積み上がり、
人は晴れ間を昨日より喜び
昨日より天気に翻弄され
──昨日より
わずかにお疲れ──
雨の季節って
あんまり好きじゃないわ!
かといって
人前でそんなことを言ってもしょうがない。
天気が都合よく私に合わせて変わるなんてことないんだもの。
日記だから──
あなたが聞きたい私の一日だったという可能性が
ほんのわずかにあるかもしれないから。
別にどうでもいい話だったと思うなら忘れてもいいわ。
あなたに麗なんて
雨ごときに一喜一憂する
じめじめした妹はいないということにしても。
そう、明日には
雨なんて何でもないって顔をしているしっかり者がいるということになったって
なんにも問題はないんだから。