虹子

『ぼうふう』
はしるはしる。
おにわを
かぜがはしる!
まどのそとを、
とおくのまちを
うらのおやまを
どこまでも
すごいはやさで
かけぬけて
なんでもふきとばしていく。
どうしてあんなに
ちからづよい?
よくたべるから?
うんどうするから?
それともほんとうは
なきむしで、
おにいちゃんに
あいたくて
すごいちからで
はしっていくの?
にじこも
よくみるよ。
さくらちゃんが
ゆうなちゃんが
はるかおねえちゃんが
はしっていく。
にじこもまけずに
おにいちゃんに
あいたいようって
それはもう
はやくはやくはしる。
みんなみんなが
おおきくなると
かぜになって
ものすごくつよくなるの?
もっともっと
ものすごい
いまよりずっと
ちからづよくなるの?
はしれ、
かけてゆけ
すごいはやさの
おおかぜ!
どこかへむかって
ちからいっぱいに──
たまには
ひといきついた
そのよこを
さくらちゃんや
にじこが
かけてゆくかも
しれないぞ!
まけるな、
すごいちからのもちぬしたち。
みんなで──
はしっていくんだよ。