『はるのあらし』
かぜがふいて
おにわのおはなも
きのえだも
さっかーぼーるも
こどもたちも
ぜんぶふきとんでいくよ。
のこっているのは
いいおてんきでよくのびた
みどりのくさだけ。
あさから
いいおひさまがでて
ぽっかぽかになったよ。
そしたら、かぜがつよくなる。
かぜがつよくなると
こどもたちはげんきになって
はしりだす。
ふいてくるむかいかぜにむかって!
たまに
うしろからふいてくるおいかぜにのって!
なんといっても
かぜのこだからね。
かぜのふくひはよくはしる。
おそとはもう
すっかりはしるこどもだらけ。
はしるそばから
ふきとばされていくこどもばっかりで
おでかけにいったの。
かぜのこは
つよいかぜみたいにはやくはしれるに
きまっている。
げんきだから
かぜよりもはやくはしれるかもしれない!
っていうこえが
おうちのどこかからきこえたよ。
よくはれたーって
りっかががっこうのふくをほうりなげた。
きがえて
そこにいたさくらとにじこのてをつかんで
ぱーっとでていっちゃった。
そらちゃんもおいでーって
よばれて
おいかけたら
もう、いなかった。
そらよりはやく
かぜよりもはやくでていった
りっか──
おはなのはなびらまみれになってかえってきたよ。
かわらのどてにさいた
きいろいおはなのあいだを
ころがったこどもたちが
かえってきた!
そらもいきたい
ころがるかわら。
でも、みーんなふくがよごれたから
あしたはおせんたくで
きまり。
あさからばんまで
おせんたくする
おやすみのひ。
ふくがかわいたら
かぜよりはやくはしって
ころがるところへゆくの。
こんどこそ──
そらがいちばんはやくはしるよ。
かぜがふくころだからね。
はやいそらにおくれないでついてこれるこ
だれかな!
そらより
はなびらだらけになるこはだれかな?
あたたかいかわらのどて、
あっちのほうからかぜがふく──
おもいっきりはしっていこうよ!