氷柱

『休憩時間』
ずっと同じことを
続けていても
効率が悪いって
説もあるから、
集中力が切れたタイミングで、
ちょっと休憩。
コーヒーを一杯飲んで
部屋に戻るわ。
新しい年の最初の試験は
なんとなく気が引き締まる。
いいスタートダッシュがきれるか
占うみたい──
立夏はもう
すやすやと眠っている。
今日もよく遊んで疲れたのね。
私が一緒にいられない分、
子供たちの世話を任せて
負担をかけていたり、なんてね──
霙姉にもみんなにも支えてもらって
自分のしたいことに専念できてる。
まあ霙姉は──貸し一つだって言ってたけど。
おやつ一回分くらいで済むかしら。
本当にいろんな人のおかげで──
好き勝手なことをするコストはそれなりに高い。
前に、聞いたことがあるの。
私が小さい頃の話──
家に帰ってこないままを心配して
自分が勉強して偉くなって
みんなに楽をさせてあげるって言ったんだって。
いくら子供の頃だったからって
私がそんな殊勝なことを言うと思う?
海晴姉は適当なこともよく言うから──
わからないわね。
誰かのためになりたいと思って始めたことで
大切な誰かに寄りかかって
顔を合わせる時間も減る──
まるでずっと
子供のままのように。
休憩だなんて言って
無駄に時間を使いすぎたかな?
時間があると
つまらないことを考えてしまいがちだもの──
それじゃ、机の前にまた戻ろうかな。
もうひとがんばり。
いい?
下僕も寒くないように
ちゃんと気を付けるのよ。
あなたがしっかりしないと
小さな子たちも見ているんだから──
お手本になってあげてね。
私には上手にできないことかもしれないもの。