小雨

『小雨にできること』
小雨は12歳。
怖がっていたお買い物にも
ひとりで行けるようになったし
子供たちを連れて公園に行く引率も
ずいぶん慣れてきました。
最近ではお料理の下ごしらえも
任されるようになって──
ご飯の支度が始まったら
小雨が中心。
お姉ちゃんたちには
もうなんでもできると言ってもらえます。
できないことは
好きな人に気持ちを伝えるくらい──
に、見えるんだって。
伝えるどころか
そばで顔を見つめるだけでも照れてしまうけど
そこはがんばって
日記も書き上げ届けます!
でもすっかり大人になったような感じが
自分でもわずかにあるかもしれないと
思ったその時。
だいたい慣れて気が緩んだくらいに
小雨はいつもうっかりしてしまうんです!
今日は──
お日様も優しくて暖かくて
家族と過ごすにはぴったりの幸せな日。
お外でよく遊んで
寒くなってお家に戻ってきたら
みんなでおやつを作って
仲よく食べたい気持ちになるのは
考えればすぐわかったことなのに──
一生懸命にホットケーキを焼いて
自分たちでがんばろうとする
小雨の元気な妹たち。
張り切りすぎて焦げてしまったり
生焼けになるのを応援しているうちに
ホットケーキミックスが足りなくなって
みんなの分が作れなくなってしまうだなんて!
監督していた小雨が
応援しすぎてしまったのがいけないの。
とほほです。
お兄ちゃんもホットケーキは好きだっていつも言ってくれているのに
今日は残しておいてあげられなくてごめんなさい──
お兄ちゃんが悲しくなってしまったら小雨も悲しいんです。
せめて明日に任された買い出しだけは
しっかりと気合を入れていきたいところ!
のんびりしているようで
小雨も気合を入れることがある!
というお話でした。
伝わったでしょうか──?
ホタお姉ちゃんからもらってあるお買い物メモに
下に小さく小雨が書いたホットケーキミックスの文字。
指で隠れて見逃してしまわないよう
丸で囲んでおきます!