さくら

『いいよかん
ようちえんからおうちにかえると
いいことがありそうな日は
なんとなくわかってしまうの!
朝からお姉ちゃんたちが
そわそわしていたな、
とか──
さくらに早くかえってきてねと
おしえてくれたりとか──
お姉ちゃんたちがおどっていたりするんだもの。
さくらのお姉ちゃんは
おどりのじょうずなひとばかり。
うれしいことがあると
とめられないのが
おどりずきのひとみんなの
じゃくてんだから。
さくら、なんとなくしっていたの。
おうちにかえったら
たべきれないおかしと
早くかえったお兄ちゃんが
まっているんじゃないかと!
ようちえんがおわり
おうちがみえてくると
かんがえていたことがどれも
だんだんと
ほんとうのようなきもちになり──
おかおがぽかぽかして
むねがそわそわして
あしがとまらない!
お兄ちゃんは
しっていた?
さくらもおどりをおどるということと
お兄ちゃんに会うために
早くかえってきたということと──
たのしいよかんがした日は
おかしをたべて
うれしくておどりをおどって
おどりすぎてテーブルにもどってきても
まだまだちっともへらない
おかしがあるということ。
おどりのじょうずなお姉ちゃんと同じくらい
おいしいおかしがたくさんで
いったいどこからくるのか──
わからないのにさくらはおどるの。
じょうずじゃないのに
へたっぴのさくらも
なぜかぜんぜんとまらないで
うたもうたいだす──
朝からなんだか
いいことがありそうな気がしたら
だいたい当たるのは
おいしいおかしがおおいのと
たのしいかぞくがもっとおおいのと──
さくらとお兄ちゃんが
おかしを好きなおかげなの。