さくら

『ごようじ』
お兄ちゃんにおしらせです。
さくらがおやくにたちたくて
氷柱お姉ちゃんのおつかいで
ごようじをおしらせにやってきたの。
ええと……
たしか……
なんだっけ?
氷柱お姉ちゃん、赤いおかおで
さくらのことをしんじてるからね!
って言ってくれたから。
さくら、とってもよろこんでくるくるまわって
よろこびすぎて、ちょっとわすれちゃった。
でも、お兄ちゃんのところに来るごようじができたから
さくらはうれしいの。
えへへ──
お兄ちゃんのところに来たのだし
もしかしたら、あそんでもらえる?
お兄ちゃんがちょうどひとやすみしようと
しているところだったかも。
それとも、もうすこしあとでおやすみをするなら
さくら、それまでまっていてもいいかなあって
思ったから。
じーっと
お兄ちゃんを見つめて
まっているの。
まだかな?
まだかな?
うきうきしながらまっているの。
だって、お兄ちゃんの近くへ行く
ごようじができたんだもんね!
はたらきもののさくらでよかった。
ごようじのないよう……?
さくらが覚えているのはね、
氷柱お姉ちゃんがふんふん鼻息を鳴らして
あんなひどい人はゆるせない、
げぼくなんてもうしらないって
うでをふり、おどりをおどっていたこと……
もうにどとおかおを合わせる気にもならないから
さくらがつたえてきてとたのまれたこと。
あれっ?
……
氷柱お姉ちゃんは怒っていたのかな?
さくらだけがたよりだってなでてもらえて
さあ、お兄ちゃんをさがしてはしれ、ってかけごえをしてもらえて──
あと、お兄ちゃんにいーってしなさいとも
おねがいをされたかも?
もうしらない!
という気持ちで
いーってしなさい、って。
そんなこと言われても
さくらはお兄ちゃんのこと
しらなくなくない……
きっと、さくらがきちんと
お兄ちゃんのところにまっすぐはしっていったとわかったら
氷柱お姉ちゃんもよろこんで
よろこびすぎるせいで
もう怒らないと思うよ。
さくらとお兄ちゃんが
なかよしでうれしいなーって
そうなる!
ぜったい!
あ、そうだ。
じゃあ氷柱お姉ちゃんにごほうこくをしてこよう!
お兄ちゃんがよろこんでいたよー、
さくらが来ておはなしをしたら
すっごくよろこんだよって教えてあげよう!
わあっ、今すぐ伝えてあげなきゃって気がしてきた。
それ、いそげ!
氷柱お姉ちゃんが早くおおよろこびをするといいね。