星花

『ものわすれ』
よっこらしょっと
立ち上がって
さあ用事をはじめようとしたときに
あれっ？
いま、なにをするつもりだったんだっけ。
……
聞いた話によると
大人になったら
よくあることなのだそうです！
そんな
まさかあ……
でも、考えてみれば
そういえばあの──
不思議な出来事。
小学生の子供たちが
そろそろ宿題をしないといけないと考えて
準備をはじめたときに
こらっ、宿題しないとでしょ！
と怒られて
そんなのわかってるのにーってなっちゃうのは
あれはもしや！
大人のお姉ちゃんたちが
星花たちが忘れないように
教えてくれていたのかもしれません！
でも、そんな心使いをしてもらってなお──
もーってなっちゃって
宿題なら
今やろうとしていたところなのに
怒られてやる気がなくなっちゃった！
ああ──
お互いを思い合っているのになんて悲しいすれ違い。
せっかくお勉強をはじめて、頭が良くなって
いい成績を持ち帰り
お姉ちゃんたちを喜ばせてあげるチャンスだったというのに
悲しいことです。
星花はお姉ちゃんたちとお兄ちゃんの喜ぶ顔が大好き。
でも遊んでいた時間の分だけ
体が丈夫になって
スポーツが得意になるという可能性も？
星花はどちらの未来を目指して
進むべきなのでしょう？
大人になっただけで急に物忘れが激しくなるのかなって
疑問もあるのですが
そういえば、大人になると
お天気や、生徒会や
お仕事のやりがいがあって、でもとっても疲れてしまって
おうちでへとへとになることもある──海晴お姉ちゃんたち。
思えば星花も遊んでへとへとのとき
ぼーっとしているときがよくあります！
そうかあ──
大人はお疲れだからなのかもしれないですね。
よし！
今日はお姉ちゃんが帰ってきたら肩を揉んであげたいな！
と──思っていたのが
ついさっきお外で遊んでいたときのこと。
そのまま夕凪ちゃんとじゃれあって
ごろごろ転がっていたときに
宿題はどうしたのーと怒られ
わーって逃げて──
肩たたきのことを思い出したのがベッドに入ろうという今になってからです！
し、しまったー！
どうやら子供でも忘れっぽいのが本当のところなのか
そこまではまだ星花にはわかりませんが
宿題に気を取られたのがいけなかったので
お疲れのお姉ちゃんたちの肩を揉むことができなかったの……
うえーん、ごめんなさい。
明日はちゃんと早めに宿題を済ませて
お兄ちゃんやお姉ちゃんたちを待っています──
もし星花が忘れているようだったら
お兄ちゃんはヒントを出したりとかで──思い出させてくださいね！