星花

アンドロメダ
夕立が過ぎ去ると
ぽつぽつ小さく散らばる雲の切れ間の
藍色の中に──
またたく銀の輝き。
夏も過ぎようとしている時期の
落ち着かない空模様では
こんなふうにきれいな景色は
そういつものこととはいかないですもの!
ころころ聞こえるきれいな鳴き声と
暗闇の中の小さな光。
夏休みが過ぎて行って
だいぶ涼しい日も増えたこのごろ。
知らないうちに早く落ちていくようになった
夕焼けの色に追いかけられるみたいに
薄暗い帰り道の途中で
見つけられるのは──
同じように家に急ぐお兄ちゃんの姿!
みんなの帰りを心配そうに待っているお姉ちゃんが
窓から覗いている優しいお顔。
それに暑くてへとへとになった日が過ぎて行ったあとの
もうすっかり秋が来てしまったような──
なんだか少し寂しい気もする景色。
でも、激しい台風も過ぎて
もう雨の心配もそんなにいらない頃。
ときどき一番星を見つけてお兄ちゃんに教えてあげられるようになったの。
あっ!
でも海晴お姉ちゃんはまだまだ
南の海で台風が生まれるかもしれない天気図だっていうの!
ほんとう?
まったく天気図ときたら。
いつも星花たちは、はらはらさせられっぱなしですね。
本当は、もっといい天気が続いて
小学校の!
そして、幼稚園でも!
きっと、どこの学校に通う子供たちも楽しみな
運動会が近づく秋だというのに!
台風が着たら練習もままならないのに
晴れないと困るんです。
星は今夜も
思い悩む星花たちの上で
やさしくきらきらと
見守っているよう。
お兄ちゃんと歩くことのできた楽しい帰り道を
喜んでくれているよう──
明日は、あんまり暑くない日だといいですね。
涼しくなったって遠くからお兄ちゃんのところへ駆けだすと──
すぐ汗ばっかりかいている毎日も、もう終わりそうだもの!