海晴

『突撃ミステイク』
一度ミスしたことは
もう繰り返さない!
必ずそうなる、という話ではなく
そうなるように努力することで
効果が出るときもあるかも、というか
だったらいいな、というか
夢みたいであっても
理想を追いかけるだけなら自由、みたいな
たぶん気休めになるかな、というお話。
ちびちゃんたちは
自分が一番お役に立ちたくて
ごはんのあとは押し合いへし合いで
山賊のようにお皿を奪い合ってまで
お手伝いをしたくてしたくて仕方がない。
でもこのごろは
うっかり落として危険を知らせる破壊音を奏でることも
気持ちだけ少なくなってきたかしら?
もう寒さも怖がらず大丈夫だろうと思っていた子たちが
急に広がる厚い雲から逃げ出して
暖かいお兄ちゃんに存在するお気に入りのポジションを狙う戦いも
そろそろ体格差を覆すのは難しいとわかってきて
ちゃんとタンスにあるお気に入りの位置を覚えては
かしこく着こんで
あとからゆっくりお兄ちゃんに褒めてもらうのを待っている。
お友達と遊ぶのに夢中でバスに乗り遅れ
帰りが遅くなると
お財布の中とひとことふたこと相談しては
食べて帰りますと連絡をする。
これでは
心配してお迎えに来た健気なグループが
よだれをふきふき何かを訴えようとしているのに知らないふりをするのも無理があるし
家でお土産を待っているとの話も聞くしで
かなり余裕がないといけない状況なのだと
気がつきはじめたお姉ちゃんもいるらしいわよ!
三度目か四度目あたりか
あるいはもっとか
鼻を甘くくすぐるしょうゆやとんこつの湯気、しょうがとニンニクの香りは
人の判断能力に大きく影響を与えるらしいの。
今までの時期であればなおさらね。
ようやく人は
北風の呪縛が解けるまでを
実感しつつあるのかも……
でも、こうやって過ちを正してくれる人がいないと
どれだけミスをしても今後に生かせない
お気楽な正確だもんね。
自分がお手伝いをしたかった頃を思えば
お皿が空になるのを狙う鋭いカンと手さばきは
あまり厳しく叱れなくなってしまうし、
同じようにしていた経験をうまく生かせているかはわからないけど。
私はきついのが得意じゃないみたいだから
きっと叱るのと同じくらい大事な
見守るほうでいられたらいいかなと思ったり
それはもっと得意な小雨ちゃんだとかに任せるほうが
うまくいくのかしらとか。
大人になっても怒られたり慰めてもらったりしてばかりいて。
キミは私の過ちを
たぶん放っておかないでいてくれるんじゃないかなと
勝手に期待しています。
あの……
お天気お姉さんなのに予報があまり当たらなくて
薄着で出かけた結果、
やはりおみやげを大量に持って帰ってきた私を見たら
キミは何ていうのかしら?
ニラがきいた餃子のいいにおいが
私の間違いのせいで
おうちの中に漂ってしまいました。