立夏

『ゴーゴー』
さむいのきらーい
抱きっついてあたたまろ!
雨の日はニガテー
相合傘で一緒に帰ろう。
ねむーいときは
オニーチャンを予約して
時間が来たらおこしてネってお願い。
それまでは自由にソファでねっころがっていいよ。
リカが勝手に腕にしがみついてて安心するだけだから!
三寒四温が続いている時期もだいぶ長い。
まだこれからも寒い日が来るっていうしー
せっかくだからお天気の日は
思うぞんぶん昼寝をしたり、遊びまわったりしないと
したいことができなくて後悔ばかり。
そのためにはたくさん好ききらいなく食べて
好きなように振付けをして歌って踊るのも心の栄養。
新しい技も考えないといけないな……
決まり手とかも!
リカは好ききらいないの自慢なの。
納豆も克服したし
キムチのにおいとも戦い、お互いを認め合って今は友達の仲。
コーヒーは……
砂糖ひとつも
たまにはビターな景色でいいでしょう。
甘いのばっかりが
恋じゃないんだよ!
オニーチャン!
あっ、でもしかし
オニーチャンにはスイートな時間だけを
恋人としてはあげたいな。
ちょこあげてー
おかえしもらってー
夢の中に出てきたら
もうそれは既成事実。
二人は甘くてたまらないでしょ!
てことはつまりー
うれしいときも
悲しいときも
どんなに結ばれた運命も
ずっと重ねたくらいじゃあまだ足りなくて
死が二人を分かつとも
いつも一緒ってことになるな!
春分の日は、お彼岸の中日です。
ぼたもちつくって重箱につめて
ご先祖のお墓はママの実家だから簡単には行けないけど
またそのうちお墓参りに行くんだよねーって話をしながら
みんなでごはんにしました。
そしたら氷柱ちゃんは
春になったせいで
のんきなのは
立夏だけじゃないのか!
みたいなことを言ってた。
どういう意味!?
ぼたもちおいしいじゃん!
細かいこと言ってると
氷柱ちゃんのお墓にはお供えしてもらえないぞー
遺言で
また今日みたいに
ぼたもち?
春らしく桜餅や
ほんのりあまいとろけるミルクプリンがあるじゃない!
とか言うんでしょ!
春休みの予定はまだ未定。
リカは好ききらいをしないから
ようやくぽかぽかどこでも暖かくなった春を迎え
寝て過ごすのもぜんぜん問題ないんだけど。
なんにしてもオニーチャンの腕を離さない甘えん坊でいても
あんまり恥ずかしくない桜の色の春が来たわけだから。
だけど楽しい休日はそれはそれで
へとへとになるまで遊びつくすのだって
なんでもおいしくいただける良い子で育ってじゅうさんねん。
きらいはきらいで
ぜーんぶ、なんとかなるものだからな!
気がついたら
いつどんなときも、どうしても楽しいねって言いたい人がいて
春の陽気が差す中も、凍える雨が降っても離さないでいたら
このままずっとずっと変わらない気がして
もう何があっても離したくなくなった
春分の日
いつのまにか終わっていたのであった!
明日はお外で遊ぼうかなー。
お出かけか、あるいは……
ボールを追いかけるのもありだな。
ひたすら走るリカの姿を見ているだけで
なぜかオニーチャンは退屈しないというリカの予想があるから
ぜひ遊びに来てください!
リカ、だいたい大声をあげてその辺にいるよ。