立夏

『真実は?』
今年もそろそろ終わり!
いろいろあった!
立夏は自分なりに
できるだけのことはした──
と思う、
お勉強の成績も少し上がったヨ。
どう? ほめてくれる?
まだまだ? うーん?
それで、計算をがんばって
今までよりはできるようになった
人生で一番数字が得意な時期にいる
立夏が見つけたこと。
あの──
もうすっかりご機嫌な観月ちゃん。
困りごとも、全部解決したみたいで
にっこにこでかわいいの。
クリスマスはみんな幸せそうでいいね!
今年一年、やるだけのことはした自信の顔だ!
このあいだ、夕凪ちゃんやマリーちゃんが心配して
計算した観月ちゃんのタイムスケジュールがあったでしょ?
あの中に──
今ちょっと数字を見た立夏
マリーちゃんたちの気付いていない
ちょっとした空き時間を発見したんだよね。
これは確か──
観月ちゃんが、お気に入りみたいに大事そうに
年代物の壺を抱えて
裏山の小さなお社に行く姿を
見かけた時間の出来事ではないだろうか?
この寒いのに感心なことだ──
風邪には気を付けてネ。
それで、立夏も今日行ってみたら
なんとそこには!
封をした壺がきちんとお社にあったそうな。
満足そうに仕事を終えたような
その堂々としたたたずまい──
ははあ、これはもしや
観月ちゃんがこの冬にがんばっていたのは
ケーキ屋さんみたいに人が集まるところを狙ったおばけを追いかけ
壺に封印してくれたお仕事なのだ。
好奇心に駆られて封を開けてしまったら
災いが再びこの世界に解き放たれてしまう──
なーんてね。
きっと、かわいらしい巫女さんごっこでもしてるんだなって
開けてみようとしたところで──
立夏はお手伝いを思い出して、
急いで駆けて戻って来たよ。
わわわ、しまった──
忙しい時期で何かとあわただしい日が続くのだった。
オニーチャンも、寒いけど体には気を付けてね。
大変なこともまだまだいっぱいある気がするけど
いろいろ区切りをつけて、年始くらいには
みんなでゆっくりのんびり
落ち着いて遊べたらそれが最高だ──そんな年明けが来るといいね。
がんばった良い子たちに、クリスマスとお正月の楽しい時間がやってきますように!