『秋真っ盛り』
うーん──
考えてみたんだけど、
おうちハロウィンの衣装を作るお手伝いで
こう、指を動かし
時間をかけ
無心になるのは──
もしかすると、この季節を楽しむ
芸術の秋ということにすれば
少しくらいは気分がうきうきしたり
投げ出したい気持ちをなんとかごまかしたり
そういうことが
できるんじゃないか──
と、時々考えるの。
家事のことなら
姉さまたちに任せておけば
何も問題なし。
私たちがやらなければならないことなんて
ひとつもないような気がするけど
どうして──
なぜだろう──
放っておいてもらえたら
私はいいんだけど、
移り変わる季節、
深まる秋は
それを許さない──
どうしたものか?
適度にさぼって
逃げたらいいのか──
それとも、任された仕事は
果たすべきか。
私がやっても
あんまりうまくいかなくて
たいしたことのない結果に終わるというのは
仕事をさせる世界が悪いのか
ただ腕前が問題なのか──
どうも、無心になれるはずの作業で
雑念が多い。
秋のせいかな──
きっとそうね。
どうにも頭が回らないのは
何の秋が悪さをしているのか知らないけれど。