『ゴロゴロ』
立夏ちゃんが
私たちの部屋に帰ってきた。
夜には戻る場所があるって
すっかり忘れたような顔をして
あっちに行ったりこっちに行ったり
それならそれでいいのにって
思っていたのに──
帰ったらそんなことがあったって
何にも知らないみたいに
まるで、最初から
そうなるのが決まっていたと
全部知っていたとしか思えない。
すっかり安心して
横になったら
すぐに寝息を立てはじめる──
暑さで寝苦しいとか
麗ちゃんは細かいことを言ってうるさいとか
いろいろ言っていたのは何だったんだろう?
きっと──気にするほうがばかを見るのね。
ここは立夏ちゃんの部屋で
自分の趣味ででたらめに散らかして
そうしたら、たまに帰って
ゆっくりする場所になったという。
なんだか本当に同じ人間で
同じ物質でできているのが事実なのか
疑ってしまいそうに
久しぶりなんて言いもせず屈託もなく──
またうるさい日々が戻ってきてしまったわ。
すぐその辺を
散らかす子が──
小さな妹もお小言をいう姉さまたちも
友達も平気で連れ込んで
かまわない子が──
これからもルームメイトなのは今は変わらないよう。
まったく──
よく寝ているから起こさないでいてあげるけど
言いたいことはいっぱいあるのよ。