立夏

『夏休み』
ででっ
ででっ
今日もいい日だ。
立夏だヨ。
毎日毎日、暑くて大変。
せめて夜はぐっすり寝ないと
体力が戻らないじゃないか。
でも、夜になっても
寝苦しい暑さが
まだ少し残っているじゃないか──
どうする?
だったら、眠くなるまで
楽しいことをして疲れきるしか
ないじゃないか。
立夏は中学一年生。
まだまだ夜更かしなんて
そう簡単にはできない。
夜中まで残る蒸し暑さには弱くても、
おしゃべりやトランプ、
夜食におねーちゃんたちも誘ったり。
そんないいことができるなら
寝苦しさなんて吹っ飛んでいくに決まっている。
でも、お部屋だと
早くお布団に入る習慣でとてもえらい小雨ちゃんと麗ちゃんが
大変だから──
立夏は、あっちこっちの部屋をまわって
説得・交渉・おねだり・泣き落とし。
夏の夜を乗り越えようと泊めてもらっているわけなの。
でも、夏休みに入ってみんなに隙があったのも数日。
そろそろ自分の部屋に戻るように
海晴お姉ちゃんにも言われたので
これからは別の方法を考えなくちゃ。
うーん。
よく寝れる方法──うーん──
なんだか、珍しく頭を使ったら眠くなって気がする。
これなら──2・3日くらいは考え事で夜をやり過ごせるか?
いや、立夏だからどうだろう?
考え事をするなら
恋煩いくらいしかなかったのに──本当に大丈夫?
この夏に──
恋をして、考え事をして
頭に浮かぶのはその人のことばかり──
そんな健康法って新しいんじゃない?
どう思う、オニーチャン?
またあらためてオニーチャンと一緒にいて好きになったりしたいんだよね。
クフフ──リッカはそうしたいんだ!