『立夏でも悩むことはある』
ああ!
どうしたものか。
すっかり麗ちゃんにも気づかれて
心配されている──
そう、
季節は二月。
楽しかった節分を終え、
にぎやかなわがやに
また次の大さわぎがやって来る。
女の子だけの家だったときは
思いもしなかったような
大変で、
悩み事が多くて
失敗ばっかりで──
でも絶対
避けて通るわけにはいかない感覚が
胸のどこかで
熱い思いになって燃え上がる。
苦さと甘さと素直な気持ちでいっぱいになる
その日が──
もうすぐ近づいてくる!
それにしても、オニーチャンがチョコが好きでよかった!
立夏も好きだし──
何をあげたら喜んでもらえるか
想像しやすいんだもの。
まあ、それでも
というかチョコが好きだから
悩むところでもあるけれど──
それでも、オニーチャンが好きで
とても悩むほうが大きいんだけど──
せっかくの
愛の告白は成功させたいのが
みんな同じ気持ちなのに、
お菓子作りは才能と努力で差が出るからなあ──
今から努力して
追いつくのか?
だめなのか?
うーん──
こんなに悩むなんて立夏らしくない。
いつもなら突き進んでから考えるっていうのに。
って、麗ちゃんも言ってた。
考えなしのリッカをこんなにも複雑にしてしまうのは
世の中にチョコと
オニーチャンしかないというのに、
なにしろまとめてやってくるから
少しは考え事が増えても仕方がない──
でも──
こうしている間に、その日は近づいてくるのだ!